た行の用語

托卵 卵づまり 中止卵 壷巣 爪切り 豆苗 止まり木 換羽 トリコモナス

 

托卵=たくらん

 生みの親から卵を取り上げ、他の鳥に温めさせること。

 一般的な家庭での飼育で、この行為が行われることは少ないだろう。

『文鳥の飼い方育て方』

 

卵づまり=たまごづまり

 産卵中に卵が輸卵管に詰まってしまう事故。最悪の場合死にいたるという。卵秘(ランピ)。

 文鳥のメスがオスより割高なのは、一般的にこのような産卵障害が起きるためといわれている。それが事実かは少し疑わしい気もするのが、産卵期のメスが朝方苦しそうな姿をしているのを見るほど、飼主の心胆を寒くするものはない。
 しかし死に至ることが多いわけではなく、ほとんどは苦しみつつも産卵する。メスが未成熟であったり、栄養不足であったり、運動不足であったり、寒かったり、初卵である場合に起こりやすい。とくに最終段階(つまり産卵の直前)に形成される卵殻が不全(軟卵など)の場合に問題が起きるケースが多いようだ。つまり、カルシウム不足への注意が卵づまりの予防につながる。
 万一の時は落着いて、病院に連れて行くなどの対処をしたい。

『文鳥問題』1『文鳥問題』15『文鳥の飼い方育て方』

 

中止卵=ちゅうしらん

 何らかの理由で成長が止まり、中のヒナが死んでしまった卵。 

 原因の多くは親が途中で抱卵をやめてしまうことにあるが、白文鳥どうしのペアの子供に起きるのは遺伝的な要因との研究もある。

『文鳥学講座』5

 

壷巣=つぼす
 壷型をしたワラ製の巣。

 日本では普通に手にはいるが、海外には存在しなかったり、ワラではなく籐などで編まれた物を使用しているらしい。日本製の方が使い勝手が良いだろう。
 手製のため大きさも形も一定でなかったりするが、大体3つのサイズがあり、1羽なら小、2羽なら中、それ以上または繁殖では大を用いるのが一般的だ。

『文鳥問題』4『文鳥の飼い方育て方』

 

爪切り=つめきり
爪を切ること.

 文鳥の爪切りは気の重くなる作業だ。文鳥自身嫌がって暴れるものが多いし、一人では難しいし、あわてて作業すると深爪してしまう。深爪したら出血を止めるために、線香の火で一瞬焼くという原始的な行為が必要となってくる。
 うんざりするので、ペットショップや動物病院で切ってもらう(金を払って切らせる)人も多い。気持ちはわかるが、文鳥の飼主であれば自分の文鳥の爪くらい切れるようにしておくべきかもしれない。せめて扱いやすい小鳥用の爪切りが存在すると楽だと思うのだが・・・。
 止まり木にザラ目のついた厚紙を巻き、爪の伸びるのを抑制するという商品がある。それで爪きりをしないで済むのなら有り難いが、絶対的な効果があるかは疑問である。

『文鳥の飼い方育て方』

 

豆苗=とうみょう

 えんどう豆(グリーンピース)のもやし(スプラウト)。ビタミンAなど栄養価に優れた青菜で、文鳥も好んで食べるものが多い。『豆芽』。

 我が家では毎晩オヤツとして食べさせ、好評をはくしている。少数羽の場合は小松菜をあまらせてしまうより効率的で良いかもしれない。
 カロリーが高いとの指摘もあるようだが、野菜のカロリーなどは、総じてたかが知れており、問題にするほどのことはないと考える(100gあたり小松菜20kcalに対して豆苗30kcal程度)。

『文鳥問題』3『文鳥の飼い方育て方』『文鳥問題』その後

 

止まり木=とまりぎ

 鳥カゴなどの中で、鳥が止まれるように設置された棒状の木や プラスチックのこと。通常上下に1本ずつ設置される。

 カゴに付属している止まり木があまりに無味乾燥なので、自分で自然木を改良する人もいるらしい。
 ビジュアル面で喜ぶ文鳥はいないはずなので、その点では飼主の趣味だけの話となる。しかし太さの強弱はあった方が文鳥にとっても利点はありそうだ。基本的にはあいまいな中くらいの太さが望ましいと思うが、太い部分もあると爪も擦れるし、細い部分があってしなったりすると遊べるかもしれない(これはカゴの中では無理があると思うが)。
 もっとも狭い鳥カゴの中でどの程度太さをかえた止まり木を設置できるものかは疑問であり、室内で遊ぶ手乗り文鳥には、無味乾燥なままでも良いだろう。

『文鳥の飼い方育て方』

 

換羽=とや

 ほぼ一年に一回、春から夏にかけて起きる羽の生え変わりのこと。またヒナ毛が成鳥の羽毛に抜け変わることをヒナ換羽と呼ぶ。かんう。

 「とや」などと読むところから、これが鷹の飼育の用語からのものと推測している。鷹の飼育小屋である「鳥屋」は「とや」と読むらしいが、そこで換羽の時に体力の消耗を避けるために安静にさせておくそうだ。
 しかし鷹と同様に、この時期文鳥も安静にする必要があるかは微妙だ。昔からこの時期には水浴びをさせないようにと注意する人がいるが、新陳代謝としてはさせた方が良いように思う。我が家では換羽期も好き放題水浴びをしているが問題は起きていない。栄養状態がよければ、あまり気にすることはないだろう。
 ただ、換羽期の文鳥はイライラするのは確かなので、乱暴になってもその点は多めに見てやりたい。

『文鳥問題』1

 

トリコモナス

 トリコモナス原虫によって引き起こされる病気で、ヒナ段階で罹患すると致死率が高い。フンなどから伝染するため、ペットショップで集団飼育されている時に罹患することが多い。オカメなど他の小鳥と共通する病気。

 幸いにも我が家で罹患した文鳥はいないが、世間ではまん延しているようだ。
 成鳥となると、トリコモナスを保菌していても、発症することはほとんどなくなり、死に至ることはほとんどないとされているので、問題は幼少時ということになる。つまり手乗り文鳥のヒナを買う際に、売られているペットショップの環境に十分に注意することが求められる。
 万一発症して重篤になってしまったヒナには、あまり無理な治療をしないで看護するのも一つの選択だと私は思う。

『文鳥学講座』3『文鳥の飼い方育て方』