ベース・レッスン

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はじめに―なぜベースのレッスンを受けるのか

初めまして、こんにちは。名古屋のベース弾き、吉岡直樹と申します。

これからベースを始めてみたいという方、学校や社会人バンドでベースを手にした方、あるいは、ベース経験はあるけれどさらに上達したい方、ぜひレッスンを受けてみませんか。

私は、レッスンを受けるのは早ければ早いほうがよいと考えています。よく誤解されるのですが、それは、私の収入アップ、お金もうけのために申し上げるのではありません。

きちんと調べたわけではありませんが、プロ・アマ含め、独学(独習)でベースを習得した人はかなりの割合に達するように感じます。確かに、ジャズやベースが好きで、音楽的な「勘」がよく、独立独歩の精神が旺盛な方(どれもとても大切なことです)は、レッスンを受けなくても、ウォーキング・ベースラインを演奏したり、ベース・ソロができるようになったりすることは、それほど難しいことではないかもしれません。したがって、レッスンの必要性を感じなかったとしても無理はないことです。

実は、私もそのような一人でした。18歳のとき、大学のジャズ研でベースをはじめました。それまでジャズは3年以上聴いていましたから耳なじみがありましたし、ブラス・バンドでベース・トロンボーンの経験があったのもよかったと思います。たまたまベーシストが不足がちだったこともあって、すぐに先輩のバンドに入れてもらえたこともとても幸運でした。そのような恵まれた環境で、上達しないはずがありません。

そんななか、あるジャズ・クラブのマスターの勧めで中村新太郎さんのレッスンを受けることになりました。「もし、ためにならないならすぐにやめてもよいから、一度付き合いだと思って受けてみなさい」と言われたのです。しかし、当時の私は、実際のところレッスンを受ける必要性をほとんど感じていませんでしたから、どちらかといえば渋々受けたというのが正直なところです。

ところが、初めてレッスン受けたときの衝撃は今でも忘れられません。毎回が目からウロコの連続、そして、レッスンの課題をこなすごとに、音色が向上し、バンドの中での存在感が日に日に高まっていったことが自分でも実感できました。こんなことならもっと早くレッスンを受けてきちんとした技術を身につけるべきだったと、率直に思いました。

最初のレッスンでは、音の出し方をことごとく直されました。左手の押さえ方、右手のはじき方以前に、立ち方、楽器の構え方からゼロからのスタートです。いえ、まったくの初心者ならゼロからのスタートかもしれませんが、私の場合すでに変な癖がついていて、それを一度取り除いてから正しい方法を習得するので、ひょっとしたらマイナスからのスタートだったのかもしれません。一日も早くレッスンの受講をおすすめする根拠のひとつに、この苦しい体験があるのです。