正確に理解すること

正確に理解すること

演奏や練習のクオリティにとって、音楽を正確に理解することが欠かせないと考えます。

これは、いわゆる狭い意味での知識や理論だけを指すのではありません。たとえば、演奏中に他のメンバーが何を演奏しているか理解できること、もしリーダーであれば、バンドのアンサンブルがうまく行っていないときにその原因がきちんと把握できて対処法をきちんと示すことができること、ピアニストが弾くコードが不適切だと感じたら、ピアニストが弾いたコードが具体的に何のコードやテンションで、それをどのコードやテンションに変えたらよいかきちんと指摘できること、などなどです。

もちろん、自分がバンドの足を引っ張っていると感じることもあるでしょう。あるいは、そのように指摘されることもあれば、自分の演奏の録音を聞いてなんとかしたいと愕然とすることもあるでしょう。

そのときようなとき、単に落ち込むのではなく、原因をきちんと理解して、そのために必要な練習方法を具体的に組み立てられること、そして効果を検証し、練習方法を見直すことができる能力があるとよいのではないでしょうか。

正確に理解することは難しい

そうは言っても、それらを正確に理解することはたいへん難しいことです。他人の指摘を受け入れるにしても、どうしても自分の理解力だけで解釈してしまうのでどうしても誤解が生じてしまうからです。

私自身振り返ってみると分かるのですが、先輩ミュージシャンに「やっと気づきました!」と言ったら「そんなこと、何年も前から言っているぞ」と呆れられたことが何度もあります。つまり、いくら易しい言葉で伝えたとしても、受け手のレベルによっては、それを実感を持ってきちんと理解することが難しいのです。

継続的な関わりが重要

ではどうしたらよいのでしょうか。

なぜできないのか、なぜ分からないのか、その原因をきちんと把握することが大切ですが、これを自分で行うのはたいへん難しいことです。実際に何かを教えた経験がある方なら共感していただけるかと思いますが、「分かっていないことが分からない」ということも少なからずあるのです。

ジャム・セッションやバンドのリハーサルで、先輩ミュージシャンから助言をもらうこともあるでしょう。しかし、限られた時間のなかで、原因をきちんと把握した上で、適切な解決方法を示すということはとても難しいものです。

したがって、継続的な関わりが重要になってくるのです。そのためのひとつの方法として、レッスンがあります。

私も決して器用な方ではなかったため、たいへん苦労したほうだと思います。何が分からないのか、あるいは何が聞き取れていないのか、きちんと原因を探った上で、適切な解決方法を示すことで、お役に立てるかと思います。

添削も効果的

課題によっては、添削をいたします。

たとえば、負担がない範囲で、ソロやコードの採譜をしていただきます。それに対して一緒に音源を聴き、必要ならピアノなどで音を確認しながら添削をすると、自分の苦手なところ、誤解しやすいところがわかります。

せっかくソロやコードなどの採譜、あるいは何かの譜面(リードシート、アレンジメントなど)を作ったとしても、それが正しいか間違っているか、適切か否かをきちんと検証しないとなかなか積み上がっていかないものです。